日常福祉合同会社

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京島

墨田区・京島のキラキラ橘商店街に、この7月1日オープン予定の複合福祉施設「TACHIBANA TERMINAL(タチバナ・ターミナル)」。昭和建築を活かしたリノベーション空間に、就労支援、宿泊施設、イベントスペースを備えた“地域と福祉の交差点”がまもなく姿を現します。

運営を担うのは、日常福祉合同会社 事業担当代表社員・堀直人さん。
今回は、施設に込めた思いと構想中の取り組みについてうかがいました。

撮影:著者

なぜ、ここに。──場所と名前に込めた意図

なぜこの場所(商店街・昭和建築)を拠点に選んだのですか?

「地域と関わる拠点を持ちたい」という想いが出発点でした。そんな中で出会ったのが、このキラキラ橘商店街に残る昭和建築です。開かれた商店街という場所性、そして長く時を経た建物の風合いに、大きな可能性を感じました。

空き家の活用や、地域との接点づくりも含めて、ここで“まちにひらく福祉”を形にしていきたいと考えています。

撮影:著者

「TACHIBANA TERMINAL」という名称にはどのような意味がありますか?

“人が行き交う交差点”という意味を込めています。
商店街がかつて果たしていた、人々が出会い、交わる場としての役割を、福祉の観点から再構築したいと考えました。
立ち寄ってもらい、関わってもらい、また歩き出していく——そんな流れを生む場を目指しています。

撮影:著者

「まちのハブ」としての福祉のあり方

オープン後、どんな役割を担っていきたいと考えていますか?

福祉施設というより、“まちのハブ”として機能する場所にしたいと考えています。
地域の方、観光客、障がいのある方が自然に交わり、それぞれの時間を過ごせる空間にしていきたいですね。

朝市や早朝ストレッチなど、地域住民と宿泊者がともに過ごせる仕掛けも構想中です。

このまちで福祉拠点をつくる上で、大切にしていることは?

“上から支援する”のではなく、“共につくる”という姿勢です。
人情やつながりが今も残る京島のまちで、誰もが主役になれる場所を目指しながら、地域の方々と少しずつ関係を育んでいきたいと考えています。

働くこと・つながること──B型事業所としての挑戦

TACHIBANA TERMINALは就労継続支援B型事業所として運営されるそうですね?

はい。オープン後は、B型事業所として「宿泊業務」「クリエイティブ活動」「地域の困りごと対応」の3本柱で支援を行う予定です。

ホステルのフロント対応やベッドメイク、清掃業務をはじめ、冊子づくりや動画制作などのクリエイティブ分野にも挑戦してもらいます。
また、草むしりや買い物代行など地域からの依頼も、実践の機会として取り入れていくつもりです。

支援スタッフの関わり方についても特徴があるそうですね?

私たちは「支援員=見守る人」ではなく、「ともに働く仲間」として関わる体制を大切にしています。
同じ空間で一緒に働きながら、必要に応じて自然に支援が行われる関係性が理想です。

また、編集・映像・デザインなどの専門スキルを持つ職員も在籍していて、クリエイティブ活動に伴走する仕組みも整備中です。

撮影:著者

地域とともに育つ、小さな社会実験の場へ

地域との協働や、今後の展開について教えてください

「空き家整理」や「草むしり」「買い物代行」など、地域の困りごとに応える仕事を通して、日常的に地域と関われる体制をつくっていきたいです。
その収益は利用者の工賃に還元し、福祉・経済・地域の循環を生み出せればと思っています。

今後、特に力を入れていきたいプロジェクトはありますか?

地域の人の「教えたい」「関わりたい」という想いを活かす仕組みを強化していきたいです。

6月はオープン前に刑務所アート展が行われていた。アートを取り入れた福祉施設が今後どう展開していくのか注目が集まります。 撮影:著者
撮影:著者

福祉と観光、地域と経済、子どもと大人、訪れる人と暮らす人。
すべての境界をやわらかく越えながら、多様な人が関われる社会の縮図としての「TACHIBANA TERMINAL」。

オープン前の今だからこそ、その構想には可能性が満ちています。
この場所が、まちと福祉の新しい関係を築く“始発点”になる日も、そう遠くはありません。

画像提供:堀さん
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