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京成曳舟駅や小村井駅からほど近く、下町情緒あふれる「たから通り商店会」。その一角に、ひときわ目を引くお店「スターワン」があります。
昭和の趣を色濃く残す京島エリアに自然と溶け込みながらも、その外観と店先からはただならぬオーラ。異彩を放ちつつも、なぜか足が向いてしまう──そんな不思議な吸引力をもつお店です。

作品と商品が入り乱れる、雑貨とアートの交差点
一歩足を踏み入れると、そこはまるで雑貨屋、玩具屋、小道具屋…すべてが混ざり合ったような世界。履物から古道具、昭和レトロなおもちゃまで、棚という棚にさまざまなアイテムが所狭しと並んでいます。
商品と一緒に目に飛び込んでくるのが、店主による手作りのコラージュ作品。雑誌の切り抜きや写真などを組み合わせたアートピースが空間を彩り、店内全体がひとつの「展示」のような雰囲気を醸し出しています。
「買い物に来たつもりが、作品を見に来ていた」──そんな錯覚に陥るお客さんも少なくないはずです。




小さな生活史博物館のような存在
スターワンが入る建物は、戦前から京島に残る木造家屋。戦災を免れたこのエリアならではの街並みに、自然なかたちで寄り添っています。
もともとは布団店やディスカウントショップとして使われていたこの空間を、現店主が引き継ぎ、10年以上にわたり営業。外には当時の看板がそのまま残されており、昭和の記憶を今に伝える貴重なランドマークとなっています。
古い道具類がそのまま残されており、来店者は思わぬところで“暮らしの記憶”に触れることになります。スターワンは、物を売るだけでなく、地域の文化や歴史をそっと伝える──そんな役割も担っているのです。



店主は、下町のアートディレクター?
スターワンを語るうえで欠かせないのが、店主の存在。人懐っこい笑顔が印象的なご年配の男性で、その優しい対応にファンも多いのだとか。
実はこの店主、かなりのアーティスト肌。店内を彩るコラージュ作品や遊び心あふれる作品のほとんどが店主の手によるもの。70代に入ってから本格的に創作活動をはじめたそうで、今も精力的に作品を生み出しています。
2024年には、墨田区の地域アートイベント「すみだ向島EXPO」に参加し、自身の店舗をギャラリーとして提供。写真家・大西みつぐさんとのコラボ展示「STAR ONE計画」では、店舗全体がアートスペースとなり、多くの来場者を迎えました。
アートと日常が溶け合うスターワンは、まさに“下町のアイデアの宝箱”。訪れるたびに、新しい発見が待っています。



店舗情報
店舗名:スターワン
住所:東京都墨田区京島2丁目24-5(たから通り商店会内)
業種:雑貨店・アートスペース
連絡先:非公開(来店時にご確認を)
営業時間:不定(週末の午後を中心に営業)
定休日:不定休