時計と珈琲とビカクシダが織りなす下町のぬくもり安藝’s CAF’E

時計と珈琲とビカクシダが織りなす下町のぬくもり安藝’s CAF’E

カテゴリ: すみだのお店

吾妻橋飲食店

ほんのり昭和を残したファサードで、好奇心をくすぐります

東京・墨田区、本所吾妻橋駅から歩いて1分。浅草通り沿いに昭和の香りを残す時計店宝石店『正確堂』の看板が目に入ります。店内には、大きなビカクシダが時計の並びにぽつぽつと配置されて、横のスペースからは珈琲の香りが漂ってきます。一見すると不思議な光景ですが、ここが『安藝’s CAF’E(アキズカフェ)』です。

撮影:筆者

きっかけは「待ち時間」に寄り添う一杯の珈琲でした

時計修理には数十分から数時間の待ち時間が生じます。その時間を「少し特別なものにしたい」と考えたのが、創業者の孫にあたる兄弟の弟さんでした。飲食業界で培った経験と、お母様が抱いていた「いつかカフェを開きたい」という夢が重なり、5年前に店内の一角でハンドドリップを始めました。
評判を呼んだ深煎りブレンド 「アキ」 は、香り豊かで後味がすっきりしています。

ミルクコーヒーは甘さの調整ができるのがうれしいホスピタリティ 撮影:筆者
アイスミルクチョコレートは疲れている時にちょうどいい甘み 撮影:筆者

兄が持ち込んだ「緑の時間」

カフェ開業後まもなく、お兄さんが趣味で育てていたビカクシダを店内に持ち込み、販売とワークショップを始めました。レトロな什器と瑞々しい葉のコントラストは、まるで“昭和モダン温室”のようです。毎週土曜日のワークショップには初心者から愛好家まで集まり、カフェに新しいコミュニティが芽生えました。
時々、お母様が時計の電池交換をして、その間にコーヒーを飲んだり、ビカクシダの鑑賞を楽しんだり。

こうして『安藝’s CAF’E』は、時計屋・カフェ・ビカクシダという三つの顔を持つユニークなお店へと発展しました。

この珍しい取り合わせを実現できたのも、安藝さん一家の遊び心とサービス精神あってこそでしょう。長年培った時計店としての形を新しい形で引き継ぎ、地域に貢献したいという想いがこの店には詰まっています。古き良きものと新しい楽しみを柔軟に取り入れるそのスタイルは下町・墨田の土地柄とも相まって、地元の人々にもすんなりと受け入れられています。

撮影:筆者
撮影:筆者
時計だけでなく昔はメガネも扱っていたとのこと。そのメガネが当時のまま引き継いでいるのも素敵な空間演出 撮影:筆者
古い検眼機もインテリアとして内装に味わいを添えます 撮影:筆者

三つの顔が奏でるハーモニー

  • 時計 ―― 祖父の代から培われた確かな技術と信頼
  • 珈琲&お酒 ―― 弟が磨いたバリスタ兼バーテンダーの腕前
  • ビカクシダ ―― 兄が情熱を注ぎ、共有する“緑の時間”

三つの要素が心地よく共存できるのは、家族全員が「祖父が愛したもの」をそれぞれの形で継承しているからです。“古き良き”を守りながら“今のワクワク”を加える姿勢は、まさに下町スピリットといえます。

撮影:筆者
奥の部屋にはさらにビカクシダがたくさん 撮影:筆者

“時の流れ” を味わう、下町の新たなサードプレイスととき

冬はガスストーブの炎が揺れ、夏はグリーンが輝く店内には、いつ訪れても穏やかな時間が流れています。常連のご婦人が昔話に花を咲かせ、ワークショップ帰りの若者が時計の隙間に新芽を探す――そんな光景が自然と生まれます。
店を包む笑顔と温かな会話、そして珈琲の香りが合わさり、この場所は誰にとっても心休まるサードプレイスとなっています。

店舗情報

店名:安藝’s CAF’E

所在地:東京都墨田区吾妻橋○-○-○(本所吾妻橋駅 徒歩1分)

営業時間:月〜木曜:8時00分~15時00分、金曜:8時00分~21時00分、土曜:8時00分~22時00分

定休日:日曜日

ワークショップ:毎週土曜 14:00–16:00(要予約)

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